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October 2015

October 07, 2015

Match Box Blues

 Match


 その喫茶店に入ると、三階の部屋に案内された。
 すこし古びた哀愁あるテーブルに着き、アイス珈琲を注文する。
 水出しの珈琲だ。
 友人はツウなので梅酒で割る珈琲を注文してる。
 そしてとにかく、煙草に火を点ける。
 ちょうど一本吸い終った頃に、感じの良いウエイトレスのお姉さんが珈琲をもってやってきた。
 そういえば、さっき階段を登ってるときにすれ違ったな。
 友人は『やぁ、久しぶり・・・・。』なんて、気軽に声をかけてた、あの娘だ。
 本当に以前会った事があるのか怪しいものだが・・・(笑)
 いやしかし、彼女のほうも少し憶えがあったらしく、いや思い出そうとして、と言った感じで珈琲を置いたあとボクらに話しかけてきた。
 友人と彼女は、他愛も無い話だが楽しそうに話してる。
 ボクは煙草の煙をゆっくり吐き出しながら、黙ってそのやり取りを聴いている。
 以前に会ったことが確認できたようなので、彼女は安心して仕事に戻っていった。
 友人も嬉しそうにし、また梅酒の入った珈琲をすすり、煙草に火を灯す。
 ほどなくして、また彼女が階段を駆け上がってやってきた。
 そしてボクらのテーブルに近づくと
 「マッチ、、、使いますか?」
 といって、二人にマッチを手渡してくれた。
 ま、マッチ?
 それは、懐かしい匂いが感じられるデザインのお店のマッチだった。
 そうだよね、かつては何処のお店でも意匠を凝らしたマッチを持っていたものだ。
 「さんきゅう べりー マッチ」
 と言ったかどうかは想像にまかせるが、ボクらはありがたくそのマッチをいただいた。
 実に気の利いた良い娘だった。
 
 昔ながらの喫茶店。
 外資系やらナンやらのコーヒー・ショップばかりが増えてしまって、こういう店が減ってしまったなぁ。
 今日はマッチで煙草に火を点ける。。
  
 浅草の老舗喫茶店にて、つい最近の出来事であった。。。



 

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